資格取得が就職・転職活動を有利にする理由

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近年は雇用の流動化や成果主義が進み、資格を取ろうと思い立つ人が増えています。今回の記事では、就職・転職活動において、なぜ資格を取得することが有利になるのかを私なりの分析に基づいて説明したいと思います。

有資格者の需要がある

例えば、宅地建物取引主任者が好例です。宅建業法では、宅地建物取引業者は事業所ごとに5人に1人の割合で宅地建物取引主任者を置かなければならないことを定めており、不動産業が消滅しない限り日本中でニーズのある資格です。宅地建物取引主任者でなければ、重要事項説明書の説明及び記名押印、売買・賃貸借契約書の記名押印を行うことができず、まさに不動産取引の中核に携わる仕事です。不動産業界への就職、転職で有利なだけではなく、入社後の待遇も、多くの会社で1万円~3万円の「資格手当」を受けることができます。

同様に、管理業務主任者についても、マンション管理業を行う会社において、事業所ごとに30管理組合に1人の割合で専任の管理業務主任者の設定が法定されています。

このように、国が有資格者の設置を義務付けている資格においては、資格取得がダイレクトに就職や転職活動につながると言うことができるでしょう。

実力を客観的に証明できる

就職・転職活動を行うに当たっては、第一関門としては履歴書を書いて書類審査を突破しなければなりません。履歴書には資格を書く欄があるので、持っている資格を書くことで、端的に「自分は何ができるのか」のPRになります。人気のある会社では1つの就職枠に何十枚もの履歴書が届くので、「キラリと光るもの」を見せなければ、履歴書の山に埋もれてしまうでしょう。この点、資格は重要な「キラリ」になり得ます。

さらに、面接の段階においても「簿記3級を持っています」「TOEIC800点です」と述べるほうが、「簡単な仕分けはできます」とか「ビジネスレベルの英語力があります」とかいった風に、抽象的に述べるよりも、はるかに説得力を面接官に与えることができます。

採用を決めるにあたって、当然、実務経験は重視されますが、面接官も人間なので、サラリーマン的な発想に立つと、やはり、なるべく客観的な根拠がほしいのです。採用した人材が当てが外れて実力不足だったことが判明し、上司や役員に申し開きをしなければならないとき、「彼が仕分けは得意ですと言っていたので私はそれを信じました」ということになると、面接官が全責任を負わされてしまいますが、「彼は簿記1級を持っていたので私も大丈夫だと思ったのですが、まさか・・・」と申し開きをすれば、「簿記1級」がある種の免罪符になるというわけです。だから、AさんBさんどちらを採用するか迷ったとき、その他の条件に大差がなければ、有資格者と無資格者では有資格者を採用するのが自然な判断になります。

もちろん、採用される側からすると資格に見合った実力が伴っていなければなりませんが、実力を発揮する前の採用活動の段階では、「資格」という鎧兜を身につけていること自体が大きなPRになるのです。

「コツコツやれる人」のPRになる

資格を取得するためには、当然、勉強が必要です。オーソドックスな資格試験の勉強法は「予備校で講義を聞く」⇒「ノートを整理する」⇒「演習問題を解く」という流れであると思います。この流れは、「上司や先輩から仕事の仕方を教わる」⇒「メモをとって覚える」⇒「自分でやってみる」という仕事の身につけ方に似ていませんか?だから、面接官にしてみれば、難易度の高い資格試験に合格できたという実績を持つ人に対しては、業務上の指示もしっかりと聞き取り、どんな仕事であってもコツコツこなしてくれるだろうという推定につながるのです。

もちろん仕事にはコミュニケーション力や判断力なども含め様々な力が必要であり、それらがからみあって「仕事力」となるわけですが、「期限を守る」とか「ムラがない」とか、そういった真面目さは仕事力の基礎的な部分として会社側も重視していることは間違いありません。

結び

このように、資格を取得するということは、就職・転職活動において直接的・間接的に多くのメリットを生むのです。インターネット上には「あんな資格はとっても無駄」とか「資格よりも実務経験」とかいってような書き込みも散見されますが、私は資格試験の勉強をすることが人生に無駄なことであるとは決して思いません。資格の取得は、未来を切り開くパスポートになると私は信じています。

Seep取締役
特定社会保険労務士・CFP
榊 裕葵

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